QueerJapanReturns vol.0 の感想など。(その1)

クィア・ジャパン・リターンズ Vol.0 Generations / Realities
ISBN:4939015777
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4939015777/
 
 まず最初にもっとも重要なこと。値段高いよ!
雑誌の価格としてはどうしようもなく高く、単行本としては微妙。
扱いとしては、雑誌と言うよりムック*1なのかなぁ、やっぱり。
1800円は、私が個人で買う本としてはちょっと泣けてくる値段です。
ゲイであることに自覚的な高校生〜大学生が図書館などで読めるように、
皆さん気が付いたら図書館に入荷リクエストしてほしいところ。
(売り上げアップキャンペーンよりも、こういう運動こそblogでやるべき仕事かと。)
グラビアのエロ度数も、図書館での許容範囲内というか、安全圏だし。
 
 しかし、値段相応に?判型が大きくなったことで、雑誌としての見栄えは
旧クイア・ジャパンよりも随分良くなっています。
具体的にはグラビアの写真が他のゲイ雑誌より1回り大きいのが嬉しい
判形の大きさを最大限に生かしているのがきれい目のカラーグラビア写真。
個人的には巻頭の猫とじゃれているモデルの子がかわいい系で好みです*2
 その一方で、モノクロページの写真は見せ方次第で
もう少しがんばれるのではないかという印象が。
 
 
 一旦大きめの判型の雑誌で読み慣れると、
今までの他のゲイ雑誌の判型は、厚みの割に小さすぎて、
読んでてしんどかったのがよ〜くわかりました。
日本のゲイ雑誌の分厚さは痴話喧嘩の時に凶器になるレベルですw。
ゲイ雑誌が鈍器代わりになった殺人事件が起こる前に要改善。
 
 冒頭のインタビュー部分。
 クラブカルチャーに色々お世話になっている身としては、やはり
吉田利信さん*3のインタビューが印象に残りました。
 私の中でゲイのイメージが「薔薇族」的なものから一気に変わったのって、
やっぱりGOLD経験世代(というか、ゲイ(mix)ナイト通過世代)の
熱量・密度共に極めて高かった弾け方を東京のクラブで
目の当たりにしたことが圧倒的に大きくて、今30代のゲイをとりあげる上では、
この人のインタビューが載っているのは全くもって適切だと思います。
 
 他の二人のインタビューについては…
うーん、自分的には接点があまりなかったです。
正直、リーマンにはあまり興味ないですし(爆)。
 ただ、田辺貴久さんの自伝的ルポの持つ、独特の重さは
現在の20代中盤のゲイが持っている何かの空気感を
うまく伝えることに成功しているのではないかという気がします。
この層特有の「抜けの悪さ」っていうのをうまく伝えることが
出来ているというか。
 

*1:別冊宝島みたいなやつ

*2:写真のトーンも、青がかなり強めの「今時のおしゃれ写真」している。

*3:ジュリアナ東京、芝浦GOLDや、ageHaのプロデューサー。日本の大バコ&「ゲイナイト」を盛り上げたとても凄い人。